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03/01/2012

インナーマッスル 一考

ここ数年、テレビのダイエット企画などで、「このエクササイズはインナー・マッスルを鍛えます!」などと言っていますね。今日も昼食時にテレビを見ていたら、そのようなことをやっていた。僕は、この''インナーマッスル信仰''を100%否定するわけではありませんが、非常に曖昧な概念だとは思いますね。

インナーマッスルとは文字通り、インナー(inner)つまりカラダの内部(深層)の筋肉群のことです。 対して、カラダの表層(浅層)の筋肉はアウター・マッスル(outer)と言いますが、テレビ番組等では、インナーマッスルとアウターマッスルは、まるで別物のように捉えられています。

浅層の筋群は、関節に対して遠位に付着している場合が多いので、テコの原理というか力学的に大きな力を出すのに向いています。一方、深層の筋群は、関節に対し近位に付着していることが多いので、大きな力を発揮するというよりは、関節や動きを安定させたり、姿勢を保ったり、内臓の機能に関与したりといった働きが主な機能です。

強いて言えば、このような区別はありますが、深層筋も浅層筋も、筋肉(骨格筋)であることに変わりはなく、どんな動作をする上でも、インナーだけが働く・アウターだけが働く、ということはなく、少なからず、インナーとアウターが協力しあって働いているハズです。更に言えば、どこまでが浅層で、どこからが深層なのか? 解剖学上の明確な定義は今のところ存在しないようです。

日本で「インナーマッスル」という言葉が定着したのは、野球選手などが肩の障害予防のために、肩の回旋筋板(ローテーターカフ)をゴムチューブなどを使って強化するトレーニングが流行したのがキッカケです。これらの回旋腱板筋群は、三角筋等に比べ、やや深層に付着しているので、「インナーマッスル・トレーニング」という呼称がつきました。現在では、肩の回旋腱板に限らず、他の部位でも深層筋は、インナーマッスルと呼称されているようです。

ただし、「インナーマッスル」という言い方をするのは日本だけです。海外では、カラダの深層の筋群はdeep layer muscles、浅層の筋群はsuperficial musclesと言いますし、日本のように深層筋と浅層筋を完全に別物のように考えるコンセプトもないようです。

日本のマスコミやフィットネス関連メディアにおいては、「インナーマッスルとは何なのか?」 今一度、理解が必要だと思います。

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